時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

疑惑の日韓通貨交換枠拡充―韓国側のウォン安政策発のインフレ対策では

 野田首相が、訪韓に際して韓国側と合意した報じられている日韓通貨交換枠の拡充は疑惑に満ちており、国民の多くは、納得していないのではないでしょうか。急激なウォン安による通貨危機への救済策とも言われていますが、もうひとつ、韓国側による、ウォン安政策の副作用としてのインフレへの対策である可能性も否定できないと思うのです。

 韓国政府は、自国製品の輸出競争力を高めるために、繰り返し、為替市場でウォン売りドル買い介入を行ってきました。その際、多額のウォンを輪転機で印刷して発効していたらしく、ウォンの急増によるインフレに見舞われることになりました。そこで、韓国政府は、インフレを押さえる一つの手段として、海外の政府にウォンを大量に押し付ける、という方法を考えたのかもしれないのです。韓国は、対外債務の返済にも困っていますので、ここで、ドルや円と交換してウォンを海外に大量に流出させれば、一石二鳥と言うことになります。

 つまり、韓国政府は、この日韓通貨交換枠の拡充によって、ウォン安政策の余地を維持しつつ、債務問題とインフレ問題を解決できると踏んだのかもしれないのです。一方、もし、この推測が正しいとしますと、日本国にとりましては、全く不愉快な政策です。さんざんにウォン安を武器に日本企業を追い落としておきながら、その”つけ”は、日本国が払うことになるのですから。この見解は、私の憶測に過ぎないのですが、5兆4千億もの外為特別会計の資金が動くのですから、政府は、国民に詳細を説明する義務があると思うのです。

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