時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

タイ人労働者特別受け入れ―自国民には冷たい日本政府

 日本政府は、洪水で被災したタイの日系工場に勤務していた従業員に対して、特別に日本国に滞在することを許可する措置をとると報じられています。この対応の早さと東日本大震災に際しての対応の遅さを比較しますと、複雑な気持ちになるのです。

 もちろん、深刻な災害に直面している被災国を助けることは、日本国民の多くは、やぶさかではないと考えていると思います。大震災の時には、タイの人々も、日本国の被災者を支援してくださいました。また、この特別措置は、国内での生産に切り替えるための、日系企業からの要請とも伝わります。その一方で、東日本大震災の被災者に対しても、国内での配置転換や臨時雇用など、迅速な対応ができれば、復興もそれだけ早まったのではないかと思うのです。今でも、被災地には、将来の展望を描けずに、不安な生活を続けている被災者の方々が大勢おります。

 外国の被災国を助けることも大事ですが、民主党政権は、自国民に対して、あまりに冷淡であると思うのです。

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