NPT体制の欠陥―危ない国ほど核をもつ

　核開発疑惑で揺れるイラン情勢に加えて、極東でも、北朝鮮による核開発が進行しております（むしろ、北朝鮮がイランの核開発を裏から支援…）。昨日は、米朝合意が成立したとも報じられていますが、そもそも、こうした問題が発生するのも、NPT体制に致命的な欠陥があるからではないかと思うのです。

　致命的な欠陥とは、NPTに違反して核を開発した国に対し、それを、強制的に排除する手段が設けられていないことです。国レベルの刑法では、物理的な排除手段として警察機構がありますが、NPTには、IAEAによる査察制度はあっても、核を廃棄させる仕組みが欠如しています。本来ならば、特別に保有を認められているのですから、核保有国が、責任をもって非核保有国への核拡散を阻止する義務を負うべきなのですが、NPTには、そうした規定もありません。ですから、イランや北朝鮮といった、遵法精神の低い”危ない国”ほど、密かに核を保有してしまうのです。

　これでは、誠実にNPTの規定に従っている、遵法精神の高い国ほど、安全保障上の危険に晒されることになります。日本国政府は、国際社会に対して、NPT体制の抱える問題点を提起すべきなのではないかと思うのです。

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