時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

太陽光発電装置設置者は”元”をとるべきなのか

 神奈川県の黒岩知事は、就任早々、太陽光発電普及のために、県民に対して無償でパネルを設置する案を打ち上げました。この計画、財政難により頓挫しそうなのですが、その際、知事は、太陽光発電装置を設置した人は、その投資資金が回収できるようにする、と明言していました。

 太陽光発電装置の設置には、200万円から300万円の初期投資を要しますが、余剰電力を高値で売却すれば、20年ほどでその資金は、回収できると見積もられているそうです。しかしながら、”元をとる”ということは、誰かが、その投資分を負担すると言うことを意味しており、それは、他でもない、他の太陽光発電を設置していない住民ということになります。つまり、長期的に見ますと、設置者の負担はゼロ%である一方で、設置できない人々は、100%の負担を押し付けられることになるのです。せめて、フィフティ・フィフティであれば、不満も出にくくなりましょうし、自然エネルギーを積極的に支持しているならば、太陽光発電を設置した人が、負担を全面的に引き受けてもよいはずです。

 家庭用の太陽光発電装置が、いまひとつ、普及に勢いがないのも、この負担転嫁制度にあるのではないかと思うのです。むしろ、設置者の負担を重くした方が、導入者が増えるとも考えられるのです。

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