時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

大阪維新の会―”期待”と”政策”のギャップ

 世論調査によりますと、大阪維新の会の国政への進出に対しては、60%以上の人々が期待していると回答する一方で、「船中八策」に挙げられている個別の政策については、ベーシック・インカムなど、反対が70%越えるものもあるようです。

 ”政党”としての期待感と、”政策”への支持との間に著しいギャップがある場合、維新の会が、実際に国政に携わるようになった後で、混乱が生じるのではないかと思うのです。橋下市長は、”民意”を盾に、「船中八策」を強引に進めようとするのでしょうが、国民の側は、個別の政策には反対なのですから、ここに、維新の会と国民との間に、抜き差しならぬ緊張が走ることになります。マニフェスト方式では、建前では、国民は、各政党の政策を基準にして投票することになっているのですが、現実には、期待ムードに流されて候補者を選ぶ国民も少なくありません。このため、最悪の場合には、国民の70%以上が反対している政策でも、法案が成立してしまう可能性があるのです。

 民主主義の原則に照らしましても、国民の大多数が反対している政策が、国会で可決されてしまうことには問題があります。こうした事態を避けるためも、国民が政策を吟味するとともに、マニフェスト方式の欠点に関する認識の共有が必要であると思うのです。

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