時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東電の袋叩きが隠すもの

 昨日から、電力料金の値上げについて、説明が不十分であったとして、東電に対する批判のボルテージが上がっているようです。東電にも反省すべき点や改善点があることは言うまでもないことなのですが、政府やマスコミは、率先して東電叩きに邁進している様子は、どこか、常軌を逸しているようにも思えます。

 もしかしますと、その背景には、国民から、原発再稼働への要請の声が高まることへの警戒があるのかもしれません。電力料金値上げの第一の原因は、東電の体質や経営の悪さにあると印象付け、東電を悪役に仕立て上げることができれば、国民の非難の矛先は全て東電に向かうのでは、と…。実際に、昨日の報道番組では、電力値上げに苦しむ中小企業の経営者が登場していましたが、東電への批判は口にしても、値上げの原因となっている原発問題については、全く触れていませんでした。しかしながら、たとえ”悪い”のは東電であっても、値上がりの真の原因は、3~4兆円にも上る代替火力の燃料費にあります。

 早期に原発の再稼働が実現すれば、値上げを回避することもできますので、日本国の産業も国民生活も助かります。政府やマスコミによる東電の袋叩きには、世論誘導の思惑が隠れているのではないかと思うのです。

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