時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日中韓国債持ち合い―財政規律の強化が先では

 政府間の国債の持ち合いの効果について、説得力のある説明がないままに、政府は、中韓国債保有を進めたいようです。円高是正に繋がるとの説もありますが、効果のほどは疑わしい限りです。

 ところで、アジア経済の安定化を図るならば、まず先にすべきは、各国が、財政規律の強化に合意することではないかと思うのです。EUでは、ギリシャの財政危機への対応として、財政規律の強化を打ち出しています。危機発生を事前に防ぐ方法とは、相手国の国債を購入することではなく(昨日の記事では、むしろ、モラル・ハザードを招くのではと書きました…)、自国が財政危機の震源地とならないよう、各国が放漫財政を改めて、自国国債の信用を高めることではないでしょうか。

 また、今回の国際会議では、中韓の自国通貨安政策については、議題とはならなかったようです。日本国政府にとって、円高の阻止が重要であるならば、むしろ、中韓に対して”為替操作”をしないよう、申し入れる方がよほど効果的です。経済協力の名の下で、ちぐはぐな政策を並べても、結局は、経済を混乱させるだけになるのではないかと思うのです。

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