時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本とギリシャの共通点

 ギリシャでは連立政権交渉が難航し、再選挙が実施される見通しなそうです。ところで、日本国でも、別の問題ではあれ、ギリシャと共通する現象がみられます。

 ギリシャの議会選挙では、国民の多くが財政緊縮策に反対し、再選挙の結果もまた、反対派が多数を占めると予測されています。その一方で、世論調査では、大多数がユーロ離脱には反対というのです。財政緩和をすれば、ギリシャの財政危機は再燃し、ユーロ離脱の可能性は格段に高まります。すなわち、財政緊縮策反対とユーロ残存は両立しないにも拘わらず、国民は、その両者を同時に求めているのです。日本国にも、原発の再稼働は反対する一方で、電力料金の値上げにも反対している人々がおります。ここでも、両者は両立しないにも拘わらず…。

 こうした両立しない政策を同時に支持してしまう現象は、政府の、国民に対する説明不足が原因しているとも考えられます。ある政策を選択すれば、その結果、どのような事態が予測されるのかを、きちんと説明しませんと、国民は、楽観主義に陥り、正確な判断ができなくなると思うのです。

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