時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”電気がなければ太陽光発電設備を買えばよい”

 今夏の電力不足に対して、”電気がなければ、太陽光発電施設を買えばよい”という意見があるようです。この意見、マリーアントワネットの言葉とされる”パンがなければお菓子を食べればよい”に通じる無神経さがあるのではないかと思うのです(実際の発言者は別人とも…)。

 再生エネとは、実のところ、贅沢な電気であり、それは、発電コストの高さからも判ります。家庭で太陽光発電を準備するにしても、一戸建て住宅に住んでいるという条件に加えて、高額の初期投資の資金が必要です。太陽光発電設備の設置は、全ての国民に簡単にできることではなく、家計に余裕のある家庭にしかできないことなのです。しかも、長期的には、設置コストは、再生エネの買い取り制度を通して、設置できない他の国民に転嫁されるのですから、逆進性どころか、弱者への負担押し付け型の政策でもあります。

 この点に鑑みますと、”太陽光発電施設を買えばよい”という言葉には、買うことができず、負担だけを引き受ける人々に対する配慮が、一切、感じられません。再生エネ法は、早期に見直しをしませんと、国民の多くが不満が抱く悪法となるのではないでしょうか。

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