時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

天皇の元首化には危険が伴う

 報道によりますと、自民党は、衆議院憲法調査会において、”外交の顔”であることを理由に、天皇を元首と位置付けるよう、主張しているそうです。しかしながら、我が国の伝統に鑑みても、また、現代という時代を考えましても、元首の表記には、疑問を感じるのです。

 自民党保守主義は、明治憲法を基準としたものであり、天皇については、立憲君主制の君主に近い感覚で捉えているようです。しかしながら、明治以前の時代に遡りますと、天皇が、”外交の顔”であった時期はほとんどなく、宮中の御簾の中におられ、直接に外国の人々と接することはありませんでした。また、外交が極めて政治的な性格を帯びることを考えますと、祭祀を司る天皇に相応しい役割とも考えられません。しかも、外務省、並びに、創価学会による皇室、並びに、宮内庁の侵食が指摘されてもおり、元首化は、一部の団体による天皇の政治利用にも繋がりかねないのです。

 天皇家をめぐる混乱が続いていながら、国民は、判断材料となる情報にも乏しく、疑心暗鬼な状態にあります。このような不安定な状態で、憲法において天皇を元首化することには、危険が伴うのではないかと思うのです。

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