時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

虚しいAKB48総選挙

 総選挙と言えば、本来ならば政治の分野の言葉なのですが、最近、芸能界でも大々的に使われるようになりました。ティーンエイジャーのアイドルグループの人気投票として。

 NHKでも報じられたことから、行き過ぎとの批判もありますが、どこか、このビジネス方法には、虚しさが漂うのです。アイドル達の年齢が若いことも、はかなさを感じさせるのですが、総選挙に浮かれているファンの人々にも、厭世的、あるいは、刹那的な心情を見い出すことができます。日本国の現状は、内外の問題が山積しており、危機意識があれば、アイドル選びに熱中している暇はないはずです。にもかかわらず、中年の男性層に、このグループのファンが多いとしますと、どこかで現実逃避の心理が働いているのかもしれません。さらには、重大な政治・経済・社会的な課題がありながら、アイドルの投票に国民の関心を誘導しようとしているマスコミにも、決して健全ではない、一種の狡猾さを感じさせるのです。そしてまた、この”総選挙”を冷めた目で眺めている一般の人々の心にも、空虚感が忍び寄ることになります。このような状況でよいのかと。

 パチンコやコンブガチャと同様に、投票権付きCDの販売というビジネス方法には、人々の正常な判断を狂わしてしまう”麻薬性”もあります。宴の後には、一体、何が残されるのでしょうか。

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