時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国マネーは”トロイの馬”か

 改革開放路線を選択したとはいえ、未だに共産主義の看板を下ろしていない中国。ところが、その実態はと申しますと、掲げた看板どおりではなく、積極的な海外投資を展開しているそうです。

 政府系ファンドによる投資も伸びており、今では、日本国の大手企業の大株主にその名を連ねています。財政危機に揺れるヨーロッパ諸国でも、ギリシャを始め、中国の進出が目立っているそうです。中国そのものが、共産主義が否定したはずの”資本家”になってしまったのですから、看板との違いに唖然とするしかありません。しかも、矛盾を抱えたままの中国は、他の自由主義国にとりましても、危険な存在のままです。共産主義の理論では、政治と経済は一体化しておりますので、突然に、中国政府が外国企業の株主権を行使するかもしれないのですから。

 政治的なリスクを考えますと、中国政府がバックにある中国マネーの進出には、やはり警戒を怠ってはならないと思うのです。日本国は、金融市場の開放を進めてきましたが、相互主義の下での一定の規制は必要なのではないでしょうか。円と人民元との直接取引が始まったことも考え合わせますと、日本国の金融市場が、”トロイの馬”のごとく、中国マネーに内側から占領されてしまうかもしれないと思うのです。

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