時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

信頼の貯金を使い果たした民主党政権

 しばしば、日本国は、諸外国では暴動になるような状況にあっても、おとなしく政府に従順していると評されてきました。政府に対する積極的な批判の声は、国民から聞こえてこないと・・・。

 この日本人評は、曲がりなりにも、日本国民の多くが、日本国政府を信頼してきた結果なのではないかと思うのです。諸外国と比較しますと、残虐な支配者や横暴な暴君は、それほど多く歴史に登場することはありませんし、明治維新第二次世界大戦における敗北といった危機に際しても、どうにか切り抜けることができました。戦後の高度成長も、通産省のイニシャチブによるとされ、官僚もまた、日本国の発展に貢献していた時代もあったのです。こうした成功体験が、国民が敢えて発言しなくとも、お上が何とかしてくれる、とする国民の過信を招いたとしても、おかしくはありません。

 しかしながら、民主党政権の成立は、過去に蓄積してきた国民の政府に対する信頼という貯金を使い果たしてしまったかのようです。もはや、誰も、政府や政治家を信用しようとせず、むしろ、怪しいんでいるのですから。日本国にも、過酷な政治に至らぬよう、国民が、政府やマスコミなどを厳しくチェックし、声を上げてゆかなければならない時代が到来しているのかもしれません。

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