時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

尖閣諸島―正義を賭した一戦

 17世紀以降、ヨーロッパにおいて発展した国際法は、今日にあっては、国際社会全体の安定を陰ながら支えています。西欧中心との批判がありながらも、法の存在が、各国に安全をもたらしたことは疑いえないことです。ところが、21世紀に至り、中国は、この法秩序を根底から破壊しようとしています。

 法なき社会とは、暴力が支配する野蛮な世界に他なりません。力に優る者が、力に劣る者から略奪し、あるいは、奴隷に貶めても、力に劣る者には、どこにも救済手段は残されていないのですから。中国が目指す”新たな国際秩序”とは、軍事大国である中国が、世界の中心に座して君臨する華夷秩序であり、それは、世界帝国でもあるのでしょう。こうした野望が実現すれば、人類の歴史は、民主主義も自由もない、暗黒時代に突入することになります。そして、もし、尖閣諸島において武力が行使され、中国の勝利に終わるとしますと、中国は、暴力支配への第一歩を踏み出すことになるのです。中国政府に対して、国際司法裁判所での解決を促すよう、働き掛けをすることも一案ですが、中国の出方次第では、戦争のシナリオも否定できません。実際に、中国の海監総隊の孫書賢副総隊長は、「日本との一戦も辞さない」と発言しているそうです。

 仮に、中国が武力行使に及ぶならば、日本国政府の対応は、既に決まったも同然です。全世界の諸国の自由と民主主義を、そして、国際社会における法の支配を護るためにも、尖閣諸島を武力で奪われることがあってはならないのです。日本国は、正義を賭した一戦を、決して避けてはならないと思うのです。

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