時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

橋下大阪市長の不可解な基準

 大阪市の橋下市長は、SNSで”暇人”や”あほ”といった暴言を吐いたとして、淀川区長を処分したと報じられています。市長自身は、歯に衣を着せぬ攻撃的な発言で知られているのですが・・・。

 橋下市長の言い分によれば、公選された市長は何を発言しても許され、一般職である区長はだめ、ということのようです。しかしながら、この基準、果たして、説得力があるのでしょうか。大阪市では、区長を任免する権限は市長にありますが、橋下市長は、市行政の改革の一環として、市職員を選任せず、公募制を採用しました。特別区である東京都では、既に公選制の下で区長が選出されていますが、ゆくゆく先は、”大阪都構想”が実現されれば、大阪の区でも公選制となるそうですので、区にも独立性を認める方針であったはずです。自らこうした流れを造りながら、区長の発言をチェックし、咎めて処分したとなりますと、市長は、区長達を自らの操り人形とでも考えているとしか思えないのです。やはり、市長は、言論統制を進めたいのでしょうか。

 何らの基準もないところに、議論もせずに勝手に恣意的な基準を設け、それに基づいて処分を行うのは、独裁者の手法に似ています。処分を行うならば、区長や住民合意の上での基準を設定すべきです。もっとも、区長と住民が、フランクな会話ができる伸び伸びとした行政こそ、本当は、望ましいのかもしれず、議論の末に、市長の介入は行き過ぎとの結論に達するかもしれないと思うのです。

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