時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国はアジアのリーダーに相応しくない

 世界第二位の経済大国にのし上がった中国は、強大な軍事力を背景に、前近代の華夷秩序の再構築を目指して邁進しているように見えます。しかしながら、中国は、アジアのリーダーには相応しくないと思うのです。

 古今東西を問わず、善政とは、内外の平和が維持され、誰もが生きがいをもって生涯をまっとうし、そして、争いにあっては、強きにも弱きにも公平な裁きがもたらされる統治を実現することでした。今日にあっても、その基本は変わらないのですが、中国が君臨するアジアを想像してみますと、善政とは程遠い状況になるのではないかと思うのです。善政では、リーダーは、メンバーの擁護者であり、各自の権利は尊重されますが、中国がリーダーでは、属国化された諸国の権利は蔑にされそうです。善政のリーダーは、各自の多様な能力が育成しますが、中国がリーダーとなりますと、中国以外の才能や能力は潰されてしまいそうです。そして、善政のリーダーは、各自の暮らし向きに心を配りますが、中国がリーダーとなりますと、貢物を要求してくるかもしれません。中国の覇権主義が留まることろを知らなければ、常に周辺諸国との戦争に明け暮れていることにもなりそうです。

 21世紀の大国として名乗りを挙げながらも、中国が、アジアの良きリーダーとなる資質を備えているとは思えません。たとえ、暴力で盟主の座を勝ち取ったとしても、アジア諸国からの反発と離反を招き、やがて瓦解する運命を辿るのではないかと思うのです。

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