時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

尖閣諸島問題―日本の対外説明は具体的かつ詳細に

 日本国の在ニューヨーク総領事館は、米紙に掲載された台湾人研究者による中国寄りの尖閣諸島問題に関する記事に対して、珍しく、反論文を寄稿したそうです。寄稿文の全文は読んではないないのですが、もしかしますと、論駁するには、かなり内容が薄いのではないかと思うのです。

 報じられるところによりますと、寄稿文では、「尖閣諸島は日本固有の領土。歴史的にも国際法上も疑いのない事実だ」、「中国が尖閣諸島を日本領と認める数々の証拠がある」…といったことを指摘しているそうです。しかしながら、アメリカの読者の立場になってみますと、根拠となる歴史的な事実や経緯、並びに、それを史実であると示す史料が添えられていませんと、半信半疑なのではないかと思うのです。この点、むしろ、中国側の方が、もっともらしい説を振りまいています。とかくに、日本人は、しゃべらなくても分かってくれると信じがちですが、何らの裏付けや証拠もなく自国領であると主張しても、アメリカの人々が納得して、一気に世論が日本寄りに振れるとも思えないのです。

 反論するならば、誰もが納得せざるを得ないほど、日本国領であることを綿密に論証する必要がありそうです。日本国政府は、今後の中国側の宣伝活動に備えて、海外向けの説明用パンフレットや資料の作成を急ぐべきではないかと思うのです。
 
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