時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日銀による韓国債の購入案―対日攻略の資金に?

 韓国側が、スワップ協定の延期を申し出たことから、親韓政権である民主党政権は、代替案として、日銀に10兆円規模の外債を購入させようとしているのではないか、とする憶測が流れています(表向きは、外債は米国債等としている…)。

 通常、日銀が、公開市場操作として日本国債を購入する場合には、その多くは、日本国の銀行から買い入れています。仮に、日銀が、憶測されているように、韓国債の購入を実施するとしますと、日本の銀行が大量の韓国債保有しているとは考えられず、その主たる対象は、韓国の銀行といった外国の金融機関、あるいは、報道されているように、既に日本国政府国債の持ち合いを実施しているとしますと、日本国の財務省ということになります。後者の場合には、日本国内に円が供給されることになりますが、前者であるとしますと、円の供給先は、主に韓国です。政府の説明では、円高抑制効果があるとしていますが、為替相場を自国通貨安に導きたい場合には、通常は、自国の国債で購入による量的緩和でも問題がないはずです。外債に場合には、購入に際して外国通貨に円を外国通貨に換えるために、円売りの作業が介在し、円安になると説明していますが、それほど説得力があるとは思えないのです。

 仮に、懸念の通りに韓国に円資金が供給されるとしますと、それは、日本国にとりまして、プラスとなるのでしょうか。韓国が借金の返済に充てるならば、市場で円売りを行いますので、円安効果は相殺されるでしょうし、韓国が、円資金を対日攻略に使うとしますと、日本企業は、さらなる窮地に追いやられるかもしれません。この政策、日本国にとりまして真に益となるのか、慎重に考えてみるべきではないかと思うのです。

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