時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

山中教授のノーベル賞受賞―科学技術は未来を開く

 民主党政権が発足した途端、真っ先に手がけたのが、”仕分け”という名による科学技術予算の削減でした。その後、はやぶさの帰還やスパコン世界一の達成などの快挙が続いたことで、この仕分けは裏目に出たのですが、昨日、日本国に伝わった山中教授のノーベル賞受賞の朗報は、科学技術の重要性をあらためて国民に伝える絶好の機会となったのではないかと思うのです。

 山中教授が開発したips細胞は、万能細胞とも呼ばれ、失われた身体機能の再生に貢献することが期待されています。人間のあらゆる臓器やパーツに用いることができるのですから、従来の治療法が劇的に変化すると共に、治療可能な傷病の範囲が飛躍的に拡大する可能性もあります。特に、現状では難病と認定され、不治の病とされている病気であっても、再生医療の発展と普及により、健康な状態を取り戻すことができるかもしれません。また、事故による脊髄損傷による車イスの生活なども、過去のものとなるかもしれないのです。

 誰もが、夢の技術と考えていた研究に、果敢に取り組まれた山中教授が、不治の病や障害に苦しむ人々にどれだけ多くの希望を与えたか、計りしれません。科学技術が未来を開くことを体現してくださった山中教授に、多くの人々が、感謝と祝意を寄せていると思うのです。

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