時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本の無自覚と中国の無自覚

 北京マラソンに参加を予定していた日本人の方々は、あまりの仕打ちに驚愕したのではないでしょうか。参加申し込みに際して選択する国籍欄に、日本国という国名がないのですから。

 国名削除の理由は、日本人選手の安全を確保できない、ということのようです。しかしながら、既に中国国内には、13万近くの人もの日本人が居住しているのですから、マラソン大会の参加者だけが危険というはずはありません(フィギュア―・スケートの大会は無事に開催されていた…)。もし、この理由が事実に即するものであるならば、中国の危険性は、日本国政府が、邦人の渡航禁止、あるいは、在中邦人の帰国を要請するほどの高いレベルとなります。おそらく、中国政府は、対日圧力の一環として、国名を消すという露骨な嫌がらせをしたのでしょう。この措置には、日本国を消し去りたいという願望も透けて見えます。中国の首相を務めた李鵬氏は、かつて、”日本という国は40年後にはなくなっているかもしれない”と発言したそうです。あるいは、本気で日本消滅を企んでいるのかもしれません(人に譬えれば、殺意というもの…)。

 中国には、大国にはあるまじき、他国排斥という露骨で陰湿な行為をしているという自覚がないようです。そして、日本国もまた、中国が密かに抱く日本国消滅願望に対して無自覚なのです。両国の逆方向の”無自覚”は、日中関係をさらに危うくしていると思うのです。

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