時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

人権侵害救済法案はマイノリティー特権付与法案

 政府が国会への提出を閣議決定したと報じられている人権救済法案。成立の見込みは薄いとの見通しがあるものの、民主党政権による解散間際の駆け込み成立の可能性もあり、まだまだ予断を許しません。

 ところで、この法案の表看板には、”人権”という名称が銘打たれています。そもそも、近代における”人権”とは、18世紀の啓蒙思想に起源を遡り、全ての人間に対して保障されるべき、生命、身体、財産に関する基本的な権利と理解されています。ところが、人権侵害救済法案の内容を見ますと、この定義とは違い、”全ての人間”を対象とするものではなく、これまで差別を受けてきたとされる一部のマイノリティーの人々(在日韓国・朝鮮人同和団体…)の救済を目的としているのです。つまり、法案のタイトルと法案の内容とは、一致していないのです。しかも、一部のマイノリティーに属する人々による主観的な差別認定によって、その他の人々を訴えることができる仕組みとなっておりますので、いわば、特権の付与に近いのです(外国籍の人でも、人権委員になることも可能らしい…)。

 本法案の成立を目指す政府や政党は、タイトルと内容のずれを知りながら、意図的に”人権”という、誰もが反対し難い言葉を、法案名に付けているのでしょうか。法案の名称は、正確に内容を反映すべきであり、内容と違う名称を付けることは、国民を誤魔化すに等しい行為であると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>