時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

小沢氏二審無罪―現行の政治資金規正法では有罪の重み

 本日、小沢氏の陸山会事件のニ審判決が下され、再度、小沢氏は、無罪の判決を受けたと報じられています。秘書との共謀は、結局、立証できず、一審と同様に、”疑わしきは罰せず”ということのようです。

 ところで、現行の政治資金規正法では、政治資金管理団体による不動産の売買は禁じられています。今日の政治資金規正法の第十九条の二の二には、「資金管理団体は、土地若しくは建物の所有権又は建物の所有を目的とする地上権若しくは土地の賃借権を取得し、又は保有してはならない。」と明記されているのです。小沢氏の土地取引は、改正以前であったために、この条文が遡及されず、かろうじて、無罪となったに過ぎないのです。政治資金規正法は、政治資金管理団体による不動産売買は、政治倫理に照らして禁ずるべきと判断されたからこそ改正されたのですから、小沢氏の無罪は、有罪に近い無罪となります。

 法と道徳・倫理は、時にして、一致しないと言われていますが、政治資金紀規正法の改正を繰り返すたびに、法は、一歩づつ、倫理・道徳に近づいてきたことになります。小沢氏は、無罪判決を受けたとはいえ、過去に政治倫理に反する行為を行ってきたことを、重く受け止めるべきと思うのです。

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