時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

神奈川県が内なる中国になる?

 朝鮮学校の無償化問題をめぐり、”国と地方は違う”とした黒岩神奈川県知事の発言は、ネット上では、厳しい批判に晒されているようです。それでは、もし、この方針が認められるとしますと、どのような事態が起きるのでしょうか。

 核やミサイル実験など、北朝鮮による度重なる暴挙に対して、拉致問題を抱える日本国のみならず、国際社会もまた、深刻な懸念を寄せています。国連でも、制裁決議が成立しており、国際協力の下で、北朝鮮への圧力強化が図られています。ところが、こうした国際社会の努力は、必ずしも功を奏してはいません。何故ならば、安保理常任理事国であるにも拘わらず、中国が、”抜け駆け”をし、背後から北朝鮮を支援してしまうからです。中国による”抜け駆け”行為は、包囲網の綻びとなり、制裁効果を著しく弱めてしまうのです。

 中国の親北的な態度は、北朝鮮への制裁効果を滅失させてしまうため、制裁に参加している他の諸国にとりましては、まことに苦々しい行為なのですが、同様の事態は、日本国内においても起きる可能性があります。実のところ、神奈川県が、独自に北朝鮮を支援すれば、これもまた、日本国による北朝鮮に対する制裁の”抜け駆け”となるからです。地方分権が声高に叫ばれつつも、特に対外政策に関わる分野については、国の専権としなけばならないと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>