時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

カジノ法案反対-享楽の街に堕ちる大阪

 江戸時代、「天下の台所」と呼ばれた大阪は、物流の中心地であり、淀川の堀沿いに蔵屋敷が立ち並び、忙しく商人が行き交う一大商業都市の様相を呈していました。政治の江戸に対して経済の大阪、というイメージがあります。

 商人の街だけに、エネルギッシュで自由な雰囲気もあり、パナソニックなど、戦後、大阪で誕生した大企業も少なくありません。ところが、報道によりますと、橋下市長は、「カジノ法案」を国会に提出し、大阪にカジノの総合施設を誘致することを目論んでいるそうなのです。橋下市長は、産業に対しては冷淡であり、このため、既に大阪から企業や工場が流出しております。このため、法人税なども減り、歳入も減少傾向にあるそうです。カジノ誘致は、歳入の不足分を補うという、もっともらしい理由で推進するのでしょうが、健全な産業を潰す一方で、ギャンブル収入に頼ろうとしているのですから、これこそ、政治的なギャンブルです。大阪にカジノを誘致するために、国の法律を変えることは、橋下市長にとりましては、国政進出の成果なのかもしれませんが、国民の反発を買うことにもなります。

 大阪は、企業家精神に富んだ商人の街ではあっても、享楽に堕した街ではありませんでした。真面目に商売をすることで栄えてきた街を、ギャンブルの街に変えてはならないと思うのです。

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