時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

韓国には対馬の盗難仏像を返還する法的義務がある

 リンク: <a title="対馬の仏像盗難事件 韓国で「日本に返す必要ない」の声 - 速報:@niftyニュース" href="http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jcast-163568/1.htm">対馬の仏像盗難事件 韓国で「日本に返す必要ない」の声 - 速報:@niftyニュース</a>.

 グローバル化の時代を背景に、しばしば、国民の間の相互理解が進めば、自ずと友好関係が深まるとする説が流布されてきました。しかしながら、この見方は、楽観的に過ぎ、現実には、相手国を知れば知るほどに、評価が下がることがあります。

 昨年、対馬で盗難された2体の仏像は、無事に韓国国内で発見されたものの、韓国側は、その返還を渋っていると報じられています。特に、観音寺の「観世音菩薩坐像」は、胎内から発見された古文書により、高麗時代に韓国の浮石寺で造られたことが判明しているため、浮石寺の信徒達が、倭寇や秀吉軍が略奪したものとして、返還反対運動を起こしているというのです(行政もバックアップ…)。朝鮮半島では、李氏朝鮮時代に、激しい仏教排斥と弾圧がありその際に、寺院は徹底的な破壊を受け(浮石寺も、近代以降の再建なのでは…)、仏教関係の文化財は海外に流出したそうです。ですから、その一部が、日本国内に持ち込まれても不思議はありません。また、対馬は、日朝貿易で栄えた地でもありますので、交易を通して対馬にもたらされたと考える方が自然でもあります。韓国は、またもや、自分達が文化財を破壊してきた歴史を無視して、”日本による侵略と略奪”というストーリーを造り出し、言いがかりを付けて、日本国から文化財を奪おうとしているようにしか見えるのです。

 数百年以上前に起きた出来事を正確に証明することができませんので、こうした韓国側の要求はナンセンスです。しかも、これまで、日本から盗み出した文化財に対しては、時効の成立を早めるといった措置で返却を阻止しながら、数百年前のことであっても、時効の成立を一切認めようとしないのです(万が一にも、日本側が略奪したとしても…)。韓国の国内法に照らしても、数百年前の略奪を根拠に、窃盗品の所有権を得ることはできないはずなのですが…。また、ユネスコ条約では、盗まれた文化財の返還を義務付けてもおります。韓国は、ユネスコ条約の締約国でもあり、日本国政府もまた、対馬の仏像を盗難文化財に指定して各国に通知していますので、国際的な返還義務があるのです。法の支配を蔑にし、窃盗を擁護する韓国の態度は、日本国民の失望と怒りを買っているのではないでしょうか。

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