時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

G20-中韓は配慮されるべき”新興国”なのか?

 ロシアで開催されたG20をめぐっては、日本のアベノミクスの評価と関連して、しばしば、”新興国の懸念”なる表現が、マスコミで使われていました。マスコミ用語としての”新興国”とは、中国と韓国を指すのですが、この表現、両国の実態を隠す隠れ蓑となりかねないと思うのです。

 先進国に対する対照語としての新興国には、”現状では、経済発展が遅れていながら、先進国に追いつくために懸命に努力している国”といったイメージがあります。経済力はそれほどではありませんので、先進国も、成長の途上にある”新興国”には、一定の配慮を示す道義的な責任があるような印象を受けます。しかしながら、中国は、既に世界第二位の経済大国ですし、韓国もまた、自らを先進国と位置付けており、スマホや家電の世界市場では、相当のシェアを確保しています。そして、この両国ほど、為替政策を戦略的に実施し、他国の企業を締め出して市場の独占を図ろうとした国はないのです。いわば、市場に襲いかかる獰猛な”狼”であり、今になって、哀れな”羊”を決め込んで配慮を要求することは、身勝手この上ないことです。

 少なくとも、新興国を、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカといった普通の新興国と、国家主義的な為替政策を展開する中国や韓国とに分けませんと、世界の経済地図を正確に把握することはできないと思うのです。日本国を始め、多くの諸国が、”獰猛な狼達”の餌食になってきたのですから。

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