時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

朝鮮半島の奇妙なクロス現象

 日韓関係は、李前大統領の竹島上陸以来冷え込む一方であり、親韓派が朴新大統領に寄せていた僅かな期待も、”1000年演説”で、すっかり吹き飛ばされてしまったかのようです。日本国は、韓国の位置付けについて、今後、再検討を迫られることになりそうですが、朝鮮半島の二国をめぐっては、奇妙なクロス現象が起きつつあります。

 最近、アメリカの政策にも、韓国に対して距離を置く姿勢が見られるとの指摘があります。来年には、韓国軍の指揮権が返還されますので、さらに、米韓関係は弱体化してゆくかもしれません。今日に至るまで、対中国・北朝鮮を視野に、日米韓の連帯と結束が強調されてきましたが、現実は、掛け声とは、逆の方向に進んでいます。一方、血の絆とも評された中国と北朝鮮との間も、隙間風が吹いているそうです。先の北朝鮮による核実験に対する批判から、中国国内では、北朝鮮切り捨て論が議論されているとも報じられています。つまり、朝鮮半島では、日米が韓国に対して不信感を強める一方で、中国もまた、北朝鮮に対して警戒感を抱くというクロス現象が進行しているのです。

 この奇妙なクロス現象の原因は、朝鮮半島二国に共通する気質にあるのかもしれません。両国の特徴として、しばしば事大主義が挙げられますが、事大主義とは、自己の利益のために見境なく大国にすり寄ることですので、韓国は中国に、そして、北朝鮮アメリカに接近する可能性があるのです。つまり、大国が二国あれば、両天秤にかけることになりますので、結局、どの国からも信頼を得ることはできなくなるのです。将来、朝鮮半島で軍事衝突が起きたとしても、どの国からも見放され、両国間で叩きあうことになるのではないかと思うのです。

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