時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

対馬仏像返還拒否問題-韓国の浮石寺とは?

 先日、対馬の観音寺から盗まれた観世音菩薩坐像の所有権を主張する韓国の浮石寺の僧侶が、対馬の地を訪問しました。面会が叶わなかったことが不満らしく、あろうことか、”世俗の欲を捨てて、(観音寺)の住職には仏の道に従って行動してほしかった”と述べたと報じられています(仏の道とは、正当な所有権を捨てて、窃盗を容認することなのでしょうか?)。

 観世音菩薩座像の胎内から発見された古文書によりますと、この仏像が造られたのは、13世紀の高麗時代であり、”浮石寺”という名称の寺院であったそうです。しかしながら、その後、李朝が成立すると、仏教は激しい弾圧を受けていますので、”浮石寺”もその急速に寂れたか、廃寺となった可能性があります。少なくとも、李朝時代に許されたとされる36の寺院の中には入っていないそうなのです。詳しくは判らないのですが、まず、高麗時代の”浮石寺”と現在の浮石寺との間に、継続性があるのかないのか、確かめる必要がありそうです。もちろん、継続性が確認されたところで、日本国側に所有権があることには変わりはないのですが、韓国側の僧侶達が、自国の仏教排斥の歴史を知りながら、仏像の所有権を主張しているとしますと、世俗の欲の塊そのものです。日本国のマスコミは、この点については黙り込んでいますが、韓国の言い分の根拠を一つ一つ否定してゆくためにも、まずは、韓国の”浮石寺”の歴史を調査するべきなのではないでしょうか。

 李朝時代に迫害を受けていた韓国仏教の再興は、韓国併合時代に、日本国政府の支援の下で行われたそうです。にも拘らず、自らの世俗の欲を棚に上げて、観音寺のご住職を批判する浮石寺の僧侶達こそ、仏の道から外れていると思うのです。

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