時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

マイホーム皇室の危うい行方-皇室の私物化

 天皇陛下皇后陛下は、昭和の時代にあって、理想の家族像を国民に示されてこられました。団地のベランダに仲良く並んで立たれる両陛下の若かりし頃のお写真は、この時代の空気を伝えております。

 皇后陛下が民間出身ということもあり、マイホーム皇室は、皇室と国民との距離を格段に近づけ、国民から親しまれる新たな皇室像として定着しました。新しい皇室像は、国民からも歓迎されたのですが、今となって考えてみますと、皇室と国民とが離れてしまう危うさをも秘めていたように思うのです。それは、皇室のマイホーム化が礼賛されたことで、家族優先の姿勢が、一種の皇室の私物化をもたらしたことです。マイホーム化とは、あくまでも、私的な家庭であって、”国父”や”国母”といった国を家族に見立てた概念とは全く違います。皇室は、日本国あっての存在でありながら、私的な家庭、つまり、マイホームが国よりも優先されてしまうのです。この側面は、最近、東宮家の問題として表面化しており、治療を理由に、公務をせずして一家で私的な遊興に耽る姿は、誰から見ましても、尊敬には値しません。しかも、権力欲にまみれた姻族が、我が物顔で皇室の特権を貪っているのですから、眉を顰める国民も少なくないのです。このままでは、私物化された皇室を尊敬し、また、財政的に支えていく理由を、国民の多くが見出しあぐねることになります。

 情報が即時にネットを通して伝わる時代となり、昭和の時代のように、国民が無条件に皇室を敬うという状況にはなくなりました。その一方で、自民党憲法草案では、天皇を元首と定めております。皇室については議論しにくい面もありますが、内部崩壊しかねない現状を考えますと、今一度、皇室、あるいは、日本国のあるべき姿について、徹底的に議論をしておく必要があると思うのです。

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