時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東宮問題-保守と革新の救い難い捻じれ現象

 園遊会を欠席しながら、東宮夫妻のオランダ訪問が決定したことで、ネット上では、国民からの非難の声も聞こえるようになりました。ここ数年来、物議を醸してきた東宮問題には、保守と革新との救い難い捻じれ現象を見出すことができます。

 皇室を崇敬してきた人々は、伝統を重視する保守の立場にあり、政治的には、独立国家の証しとも言える国家主権を大事にしてきました。昭和の時代までは、およそ保守派と皇室支持派は一致しており、天皇陛下をはじめ皇室の方々も、国民の期待に応え、行動によって徳を体現されてまいりました。ところが、東宮の婚姻により、この構図は、動揺をきたしております。何故ならば、東宮外戚に当たる小和田恒氏は、ハンディー・キャップ論で知られており、日本国が、完全な主権国家となることに対して否定的な見解を示しているからです。しかも、伝統の継承についても無視しており、天皇は、古来、神道の祭祀長であったにも拘わらず、新興宗教である創価学会との関係を強めております。三代前が不明なために、朝鮮系や中国系の疑いもあり、反日国家との繋がりも見え隠れしています(血筋だけではなく、人脈も…)。つまり、東宮家とその外戚のスタンスは、革新側にあるのです。このため、保守派の人々が、皇族であることを理由に、無批判に東宮家を擁護しますと、敵対者であるはずの左派、あるいは、反日勢力を支援することになる、という矛盾した状況となります。

 小和田氏が、外務省の実力者であることを考慮しますと、将来、皇室の威光を背景に、”皇室外交”どころが、実際の外交においても、ハンディー・キャップ論に沿った政策を押し付けられることになるかもしれません。この時、保守派の人々は、日本国をとるか、皇室をとるか、の究極の選択を迫られることになるのではないでしょうか。

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