時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

憲法改正と天皇-日本国は後世に何を伝えたいのか

 世論調査によれば、憲法改正賛成の国民が51%に上るそうです。自民党の改正案では、天皇を元首と明記する方針と伝わります。しかしながら、日本国における天皇の位置付けについては、まだまだ議論が不十分なのではないかと思うのです。

 第一代神武天皇の即位から今日に至るまで、日本国は、天皇を頂いてまいりました。戦後は、憲法第1条において、国家並びに国民統合の象徴とされましたが、日本国憲法が、GHQの占領期に制定されたこともあり、天皇については、伝統的な祭祀が憲法の枠外の私的行事とされる一方で、西欧の立憲君主制に基づく国事が公務とされる状況となりました。戦後も67年が過ぎたのですから、こうした混乱は、今一度、整理する必要があります。とは言うものの、現行の自民党案では、元首という表現からも理解されるように、明治期に導入された立憲君主制を引き継ぎ、伝統祭祀は、やはり私的な領域に置かれたままとなるようです。このまま、草案通りに改正されますと、立憲君主型の天皇となりますが、国民のコンセンサスを形成するためにも、一端、立ち止まって、日本国は、天皇において、何を後世に伝えないのか、きちんと議論しておくべきではないかと思うのです。将来の日本国に継承すべきは、元首という地位なのでしょうか、皇統なのでしょうか、それとも、古来、連綿と続く祭祀なのでしょうか。

 現状では、全てが混沌と入り混じっており、良からぬ勢力が暗躍する土壌ともなっております。最悪の場合には、男子継承の皇統は廃れて反日外国人の血統となり、宮中祭祀も断絶されて新興宗教が取って代わり、絶対君主もどきの俗物が元首の椅子に座るのみとなります。これでは、北朝鮮金王朝と、何ら変わりはありません。天皇の位置付けは、日本国の将来像とも深く関わるのですから、何を後世に伝えたいのか、拙速とならぬよう議論を尽くすべきと思うのです。

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