時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東シナ海境界線未画定論は中国の工作?

 日本国の国際法の学説などでは、東シナ海の日中の海洋権益の境界線については、未確定と説明されてきました。日本国は、日中中間線を主張し、中国は、大陸棚の延長を主張していると…。

 しかしながら、しばし立ち止まって考えてみますと、この見解、どこかおかしいと思うのです。確かに、中国は、以前から東シナ海ついては沖縄トラフまでを中国沿岸からの大陸棚の延長と主張してきました。ところが、国連海洋法条約の仕組みでは、大陸棚の延長を申請する国は、申請書を国連の「大陸棚の限界に関する委員会」に提出しなければならず、延長の可否は、当委員会によって判断されます。そして、当委員会の勧告に基づいて設定した大陸棚は、最終的で拘束力を有するとされているのです。つまり、中国は、当委員会が認めない限り、大陸棚延長を主張することはできないのです。この延長申請を、中国政府は、2012年の7月14日に国連に提出していますが、この件に関して勧告が行われたとする報道は、今のところ、ないようです。

 東シナ海の境界線は未確定、とするこれまでの説は、もしかしますと、中国側の工作活動に惑わされてきた可能性があるのです(それとも、日本側が、中国側の言い分に配慮したのでしょうか?)。国連の委員会が中国の大陸棚延長を認めなれば、日中中間線は確定します。日本国もまた、東シナ海のガス田開発に本格的に着手できる日も近いのです。

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