時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国への忠誠アピールか-韓国紙の対日領土割譲要求

 先日、韓国の大手新聞が、日本国に対して、先の大戦で被害を与えた国への領土割譲を要求する記事を掲載したことが、ネット上で話題となっております。サンフランシスコ講和条約を無視した暴言なのですが、この主張、中国への忠誠のアピールなのではないかと思うのです。

 韓国は、日本国に対して執拗に嫌がらせを続けてきたのですから、対日割譲要求もまた、反日政策の一環ではあります。その一方で、先の朴大統領の中国訪問は、中韓接近、否、韓国の属国化を象徴する出来事でもありました。訪問直後のタイミングで、この記事が掲載されたのですから、韓国は、対日批判にかこつけて、中国の利益のために領土割譲を要求していると推測されます。仮に、米韓関係を意識していれば、サンフランシスコ講和条約が既に締結されているのですから、あえて領土割譲など、持ち出すはずもありません。当条約を否定している中国の立場を強化し、竹島の不法占領にとっても都合がよいからこそ、韓国は、マスコミを通して領土割譲を持ち出しているとしか考えられないのです。尖閣諸島を中国に、竹島を韓国に割譲せよ、と(もっとも、韓国の場合には、大戦当時は日本国に併合されており、戦争被害国でもないのですが…)。中国が、表立って言えないことを、属国化した韓国が代弁しているのかもしれません。

 連合国は、第二次世界大戦に際して、太平洋憲章、連合国共同宣言、カイロ宣言など、戦争の基本方針に関する共同声明を公表しておりますが、その重要なポイントの一つは、不拡大主義です。つまり、侵略を咎めて戦争に訴えた以上、戦争に勝利したとしても、領土割譲を求めない、ということです(これらの宣言は中国も認めはいる…)。中韓両国は、日本国のみならず、法の支配を尊重する国際社会にとりまして、重大な脅威と認識されつつあると思うのです。

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