時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

元慰安婦証言に潜む朝鮮人憲兵補助員問題

 河野談話とは、わずか16人の元慰安婦の証言に基づいて作成されたものです。現在、慰安婦の人権に配慮して非公開とされていますが、当時、副官房長官であった石原信雄氏の証言によれば、募集時に際して憲兵の関与があったことが、決め手となったそうです。

 憲兵の関与とは、事業者の募集時に憲兵が立ち会って脅迫した、という内容であり、日本軍が強制連行した、とする韓国側の主張とは、かけ離れています。仮に、この証言が事実であったとしても、憲兵が、職務として募集を行った判断するのは早計です(総督府の命令書は、一切、存在しない…)。何故ならば、警察や憲兵において最多を占める巡査補と憲兵補助員は、全員、朝鮮人であったからです(1910年の時点で巡査補3131人、憲兵補助員1012人)。朝鮮半島において治安の維持を図ろうとすれば、現地の言葉を解する朝鮮人職員の大量雇用は当然のことであり、住民との接触は、これらの人々によって担われたと推測されます。そして、朝鮮駐剳軍司令部編『朝鮮駐剳軍歴史』には、「…憲兵の威力を普及して治安維持上に至大の効果を収めしめたり然れども、由来教育に乏しき者の常として、往々官威を濫用して不正行為を敢えてする者あるは、固より免るる能わざる所なり」とする記述があり、憲兵補助員が、相当の悪事を働いていることを示しているのです(山辺健太郎『日本統治下の朝鮮』より)。朝鮮人憲兵の存在については、中山成彬議員が国会において発言されておりますし、水間政憲氏の『日韓併合時代の真実』にも記述があります。

 朝鮮半島における当時の憲兵体制を末端において支えていたのが、朝鮮人憲兵補助であることを考えますと、元慰安婦証言に登場する憲兵は、朝鮮人憲兵補助員であり、職務を逸脱して不正行為を働いた可能性は否定できません(むしろ、その可能性の方がはるかに高い…)。数人の元慰安婦の証言に憲兵が登場したことを以って、韓国が主張する”日本軍による20万人朝鮮女性強制連行説”の証拠とすることは、到底、できないと思うのです。

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