時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”共産国家日本”の戦後構想-国際共産主義の謀略

 本日の産経新聞の一面に、終戦間際にあって、中国武官が、アメリカから伝えれた日本国中枢に関する最高機密の情報として、”日本政府が共産主義者に降伏”したとする打電を送っていたとする記事が掲載されておりました。

 ハル・ノートを作成したハル国務長官の側近に、ソ連邦工作員が存在していたことは、既によく知られた事実となっております。日本国内でも、ソ連邦の工作活動は、ゾルゲ事件で表面化したものの、それは、氷山の一角であったかもしれません。記事によりますと、1945年4月の時点で、鈴木貫太郎首相の秘書官を務めていた松谷誠陸軍大佐は、国体と共産主義の両立を主張し、ソ連流の共産主義国家の樹立を訴え(ソ連参戦の情報を握りつぶしたのは松谷大佐とも…)、加えて、陸軍参謀本部戦争指導班長の種村佐孝大佐もまた、ソ連主導で戦争を終結させ、ソ連邦の陣営に日本国を組み込むことを唱えたと言います。両者の行動を見ますと、この問題の根は、より深いところにありそうです。実のところ、現在の北朝鮮の体制を見れば一目瞭然であるように、共産主義全体主義紙一重です。昭和維新を標榜し、天皇親政の下での国家改造を唱えた北一輝の『日本改造法案大綱』は、社会主義的な政策に満ちていたそうです。外見としては、陸軍皇道派などは、ソ連邦を主敵と見なし、対ソ強硬論を唱えながら、その一方で、背後では、何者かによって、ある方向に向けて操られていた可能性があるのです(本人達は、自覚していないかもしれない…)。仮に、親ソ派主導によって終戦を迎えたならば、おそらく、極東には、今の日本国とは全く違った北朝鮮型の国家が誕生していたことでしょう。

 現在の日本国民の多くは、この記事を読んで、ソ連邦型の国家となる危機を回避できたことに、胸をなでおろしたはずです。しかしながら、マスコミの活動にも観察されるように、国際共産主義、あるいは、国際陰謀の脅威は、未だに完全には過ぎ去ってはいないのはないでしょうか。21世紀を迎えた今日、操られる歴史にこそ、終止符を打つべきではないかと思うのです。

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