時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

アイドル利用の逆効果

 ここ数日、ネット上では、若手社会学者の古市憲寿氏とももいろクローバーZというアイドルグループとの対談に批判が集まっているようです。この対談、政治的な意図があったのでしょうが、主催者の意図に反して、全くの逆効果となったのではないでしょうか。

 古市氏は、野田政権時代に、内閣府国家戦略室「フロンティア分科会」部会委員に就任しており、若年ということもあり、異例の抜擢であったようです。この時から、既でに、左派勢力…によって、若者向けの世論誘導要員として、白羽の矢が立てられていたのでしょう。その後も、マスコミに登場しては、反日反戦論を積極的に展開したのですが、今回も、若年層に人気のあるアイドル・グループを登場させることで、保守に向かっている世論の流れを変えようとしたものと憶測されます。しかしながら、グループのメンバーの発言が、あまりにお粗末であったために(もっとも、当人達は、書かれたセリフをしゃべっただけなのでは…)、世論は、逆の方向へと向かいました。メンバーの一人に”韓国にも言い分がある”と発言させたことで、韓国擁護の主催者の意図が透けて見え、返って、反韓感情を煽ることになりました。また、”終戦の年が1038年”で、”戦った相手が韓国”の珍答では、”歴史を知らない”を通り越して、絶句してしまいます(日本国の学校で義務教育を受けたのか疑問…)。

 これまでは、タレント知識人を登場させたり、人気アイドルを利用することで、マスコミは、巧みに世論を誘導してきました。しかしながら、ネットが普及し、正確な情報が獲得できるようになった今日では、もはや、この常套手段は通用しないのではないでしょうか。

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