時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

朝日新聞の戦争と平和

 戦前にあって、朝日新聞社が世論を戦意高揚に向けるべく、戦争支持の方針で紙面を編集していたことは、しばしば指摘されるところです。ところが、終戦後はその論調は一転し、平和主義の下で、憲法第9条の擁護と反戦を訴えてきました。この変わり身の早さに、多くの国民は当惑したのですが、よく考えてみますと、朝日新聞社の戦前と戦後の態度には、一貫性があるように思えるのです。
 朝日新聞社が豹変したと感じるのは、人々が、朝日新聞社が、心から平和を望んでいると信じているからです。しかしながら、この前提を否定しますと、朝日新聞社の姿勢にぶれがないことが分かります。ロシア革命以前から、日本国のマスコミにも共産主義の影響が及んでおりました。第二次世界大戦を引き起こした黒幕はコミンテルンと指摘されるほど、共産主義勢力は、世界各国に組織網を広げており、日本国においても、本部の方針が戦争誘導であるならば、影響下にあった日本国のマスコミが呼応したことは想像に難くありません。日本国政府共産主義勢力とは、戦争遂行で方針が一致していたのです。
 第二次世界大戦の結果、日本国は、共産主義勢力の思惑通りに敗戦しますが、ソ連邦による日本国占領には至りませんでした。そこで、所期の目的を達成できなかった共産主義勢力は、将来的な日本国の占領赤化を次なる目標に定めます。この目的を実現するためには、何としても、日本国を軍事的に弱体化し、骨抜きにする必要がありました。
 ここに、戦後の朝日新聞社の“平和主義”の原点があります。つまり、戦争のための平和という…。左翼の平和主義運動が暴力的である理由もまた、美名の裏に隠された目的が、戦争に他ならないからなのではないでしょうか。

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