時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

河野談話の隠蔽路線は転換を

 河野談話の根拠となった16人の元慰安婦の証言は、これまで、非公開とされてきました。しかしながら、本日の産経新聞の記事によりますと、政府内では、当初、公開の是非が議論されていた節があるそうです。

 ところで、先日のスクープ記事では、聞き取り調査の対象となった16人の元慰安婦の大半が、氏名、生年月日、出身地さえ不明であったと報じています。この件については、韓国側が敢えて身元不明な人々を選んだとする憶測がある一方で、証言が公開されることを想定していたからこそ、正確な記述を避けたとする推測も、あながち否定できないように思われます。政府は非公開の理由として、元慰安婦のプライバシーに配慮したと説明していますが、そもそも、氏名さえあやふやなのですから、公開したところで、本人を特定できるはずもありません。つまり、誰だかわからない人々の証言なのですから、証言を公開しても、何らのプライバシー上の問題も生じないのです。”絶対だめだ”と主張して公開に反対したのは河野氏とのことですので、この件に関しての河野洋平氏の責任は重大です。証言という重要な根拠を隠蔽し、恣意的な判断で日本国と日本人に汚名を着せたのですから。

 慰安婦の強制連行について、韓国側が、日本国に対して法的責任まで追及していることを考慮しますと、河野談話は、法廷の訴訟手続きとしても杜撰すぎます。被害者の身元も分からず、証言も公開されず、証拠資料も第三者の証言もないのですから。河野氏が敷いた隠蔽路線=密室裁判を転換するためにも、政府には、是非、元慰安婦証言の公開をお願いしたいと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>