時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日中韓共同歴史教科書-火に油を注ぐ韓国の大統領

 韓国の教科書が、自国礼賛と歴史の美化に満ちており、事実を無視した虚像を描き出していることは、海外の研究機関によっても報告されています。日韓対立の一因も、自国中心の捏造の歴史を日本国に押し付けようとしてきた、韓国側の傲慢な態度にあります。

 ところが、歴史認識の押し付けに対する反省もなく、韓国の朴大統領は、鳩山元首相と同じく、東アジア共同体?の幻想に囚われたのか(この三国が”共同体”を造る必然性は全くない…)、日中韓共同教科書の作成を提案したと報じられています。”ドイツとフランスのように、対話と協力を積み重ねられる”ということが理由のようです。現実には、独仏関係は、韓国併合と朝鮮統治が伴った日韓関係とも、冊封関係にあった中韓関係とも違いますので、敢えて独仏関係に譬えるならば、それは、日中関係と言うしかありません。また、ドイツやフランスのみならず、ヨーロッパ諸国では、自国の歴史を捏造してはいません。19世紀の項目に、白壁と甍が美しく整然と広がる江戸と壮大な清帝国の都北京と並んで、不衛生なスラムと化していたソウルの光景が教科書の一ページに掲載されることに、韓国は、耐えられるのでしょうか。また、それ以前の問題として、対立原因が歴史問題にあるにも拘わらず、歴史を以って解決しようとする発想は、”火事を消化するためには、油を撒けばよい”と提案するようなものです。どこに問題の原因があるのか、全く理解していないのです。

 以前にも日韓共同の歴史教科書作成プロジェクトがありましたが、日本側が、史実に基づく記述を要求しても、韓国側は、自国の主観的な”歴史認識”に固執し、結局、物別れに終わりました。仮に、提案通りに共同教科書作成のための場を設けても、前例と同じ運命を辿り、相互の隔たりを再確認するだけで、直ぐにご破算になるのではないかと思うのです。

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