時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国に飛行計画を提出した韓国-李承晩ラインの後ろめたい過去

 中国が一方的に設定した防空識別圏は、この空域内における中国軍の武力行使を示唆したことで、公海上空を事実上の”領空化”として批判されています。一方、李承晩ラインの設定もまた、韓国が一方的に公海を”領海化”したことにおいて、国際法に違反する重大な事件でした。

 1951年1月に李承晩ラインが設定されたことによって、公海にありながら、日本国の漁船は、韓国側から臨検、拿捕、接収、並びに、銃撃を受け、この際、抑留者3929人、拿捕された船舶数328隻、死傷者44人の被害を受けました。日米をはじめ国際社会が批判したにも拘わらず、この違法ラインは、以後、13年間も維持されたのです。李承晩ラインに組み込まれた竹島は、今でも、韓国によって不法占拠された状態にあり、日本国に戻ってきてはいません。こうした後ろめたい過去がある韓国のことですから、中国による尖閣諸島を含む東シナ海一帯の”領空化”を真剣に批判するとは思えません。”領空”と”領海”の違いはあれ、中韓の両国は、同一の行動をとっているのですから…。今のところ、中国は未遂状態にありますが、韓国は、現実に日本領を奪い、日本人に甚大な被害を与えており、この点、韓国の方が先輩なのです。

 本日、韓国の航空会社が、政府の承認の下、中国に対して飛行計画を提出したと報じられておりますが、李承晩ラインを思い起こせば、韓国に、中国に対する抑止力を期待することは不可能です。日本国は、中国のみならず、韓国もまた、法の支配を拒否していることを忘れてはならないと思うのです。

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