時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

橋下大阪市長の辞任-効き目を失ったサプライズ効果

 突如として大阪市長を職を擲ち、大阪都構想の実現のために出直し選挙の賭けに出た橋下市長。しかしながら、サプライズ戦略は、既に使い尽くされた感があります。

 サプライズ効果とは、かつて小泉元首相などが使った手法であり、国民を驚かせるような行動に出ることで話題性を独占し、一気に支持率を跳ね上げるというものです。橋下市長もまた、停滞気味、否、下火となっていた大阪都構想に再び燃料を投下し、実現に向けての機運を高めようとしたのでしょう。しかしながら、橋下市長の辞職表明に対して、都民の反応もマスコミの論調も批判的であり、サプライズ効果は見られません。むしろ、冷ややかな反応が多く、たとえ市長に再選されたとしても、大阪都構想への弾みとなるとは思えないのです。しかも、対抗馬が立候補しない中で、たとえ無風選挙で当選しても、投票率が低ければ、橋下氏に対する事実上の不信任と見なされる可能性さえあります(都構想の推進力にならない…)。

 大阪市長辞職には、橋下氏の焦りも感じられますが、大阪都構想は、大阪市民だけで決められることでもありません。大阪都構想に対する市議会をはじめとした各方面の慎重な態度は、もはや、専断型のサプライズ戦略では動かせない現実を表しているのではないかと思うのです。。

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