時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

アジア女性基金-戦時犯罪の被害を救済したのは日本国だけでは?

 慰安婦問題に対する諸外国の批判に対して、日本国政府は、アジア女性基金の設立を挙げて、被害者に対しては既に救済措置を講じてきたことを説明してきました。実際に、戦時での暴力に対して被害を救済したのは、日本国だけなのではないかと思うのです。

 先日の記事でも指摘したように、日本国内においてさえ、財政的な支援を含めた犯罪被害者に対する救済が実施されるようになるのは、犯罪被害者等基本法が成立した2004年になってからのことです。それまで、日本人であっても、犯罪被害者が公的に救済を受けることはありませんでした。救済手段があるとすれば、それは、民事訴訟による賠償請求であり、犯人が分からない状態では、この道も閉ざされていたのです。戦時にあっては、どの国でも治安が乱れやすくなりますので、多かれ少なかれ暴力事件が発生するものです。ヨーロッパの戦場もまた例外ではなく、ベトナム戦争での韓国軍による蛮行は近年、広く知れ渡るようになりました。日本人もまた、敗戦時には、満州朝鮮半島において非人道的な被害を受けたのです。1995年に設立されたアジア女性基金は、日本国政府には法的な義務がなく、必ずしも日本人が加害者でもなく、犯罪被害を証明する手続きも不要とし、しかも、日本人被害者を救済対象から除いたのですから、被害を訴える諸外国の女性達に対しては手厚い支援であったのではないでしょうか。

 にもかかわらず、韓国政府は(韓国政府は自国が引き起こした被害については謝罪も救済もしていない…)、日本国が、謝罪も救済もしていないどころか、国家犯罪を実行したように国際社会に吹聴し、外国のマスコミも、韓国の言い分を鵜呑みにして報じることも少なくありません。日本国政府は、国際社会に対して、人道的な見地から戦時犯罪被害者を救済したことを、積極的にアピールしてもよいのではないかと思うのです。

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