時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

女性教諭の子供の入学式優先-堕落の放任

 高等学校の女性教諭が自分の子供の入学式に出席するために、自らの高校の入学式を欠席した事件について、世論の反応は、賛否両論が拮抗したそうです。
 
 この教諭の欠勤を許可した校長は、”自分たちの時代には、こうしたことはなかったが、時代の流れにより人々の意識も変わってきた”と、容認の理由を説明しています。しかしながら、意識の変化は、必ずしも良い方向に向かうとは限らず、悪い方向に向かう場合もあります。善悪関係なく、変化そのものを全面的に肯定しますと、社会の腐敗や無責任化をも認めることになりかねないのです。”物分かりの良さ”とは、得てして堕落の放任を意味します。この教諭が担当するクラスの生徒さんたちは、おそらく、自分の子を優先した教諭に対して、教師としての不熱心さといい加減さを敏感に感じ取ったことでしょう。自分の子供優先を明確に態度として示せば、他の子供達の信頼を失うのは当然のことです。
 
 世論調査の結果の通り、この教諭の行動を是認する意見がおよそ半数に上るとしますと、日本国の将来を憂いざるを得ません。他者に迷惑をかけたり、他者を犠牲にしてまで私を優先すれば、社会が無残に崩壊することは、隣国がその事例を示していると思うのです。
 
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