時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国は真の文明国の姿を中国に示すべき

 南シナ海における衝突を機に、ベトナムやフィリピンでは反中デモや暴動などが発生していますが、ネットにおける中国国民は、こうした抗議行動に対して批判一色なようです。誰もが、自分の国の政府が、両国に対して何をしたのかを見ようとしていないのです。
 
 政府当局が情報を統制しているのでしょうが、中国国民のほとんどが、国際法に関する知識がないことは問題です。このため、中国国民には、自らの国に非があるとする意識がなく、中国国内では、日本国がベトナムとフィリピンと連携する可能性についても否定的な意見が大半を占めているそうです。しかもその理由とは、”日本国は文明レベルが高く、自分の利益が最優先の国であるから”というのです。この日本評、日本国としては不名誉なものです。何故ならば、日本国は、中国国民から”自国の利益のためならば、国際法違反の行為や不当な武力行使に対して目を瞑り、弱い立場にある国を見捨てる国”と見られていることになるからです。中国国民からすれば日本国を誉めたつもりなのでしょうが、日本国にとりましては、”利己的で卑怯な国”と認定されたようで、少しもうれしくない評価です。
 
 強国による理不尽な弱小国虐めに抵抗し、国際法の原則に従って、弱小国の正当な権利を護ろうとする国こそ、文明レベルが高い国というものです。中国国民から罵られても正義と法を貫き、真の文明国の姿を示すことが、日本国政府の役割ではないかと思うのです。
 
 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
 
イメージ 1