時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

矛盾する北朝鮮の発言

 日朝合意の行方は不透明感を増すばかりですが、極秘交渉における北朝鮮側の発言は、矛盾しているのではないかと思うのです。
 
 本日の産経新聞の一面には、北朝鮮側が、日本側が”誠意を示せば何人か帰す”と語ったとする記事が掲載されておりました。この発言から推測される事は、北朝鮮側は、既に、日朝交渉において拉致問題が進展し、被害者の帰国をめぐる取引が行われることを想定し、既に、人選が行われているのではないか、ということです。仮に、帰国予定者がリストアップされているとしますと、”再調査の開始”はポーズに過ぎず、全情報を北朝鮮が把握していることになります。にも拘らず、NHKやマスコミなどでは、拉致事件は軍部の特殊機関が起こした事件であって、この機関を調査できるか、否かが、再調査の結果を左右すると、したり顔で解説しています。北朝鮮では、金一族の首領が軍のトップでもあるのですから、全ての情報を把握しているはずであり、仮に、報じられていることが事実であれば、独裁体制はそれほど盤石ではないか、あるいは、今回の日朝合意は、金正恩氏が決断したことではないとする憶測も成り立ちます。
 
 北朝鮮の体制とこれまでの経緯からしますと、前者の可能性が高く、北朝鮮は、既に作成してある拉致被害者リストを眺めながら、日本国から如何に資金を巻き上げるか、戦略を立てているのではないでしょうか。そして、日本国のマスコミの多くが北朝鮮の演出を手伝っているとしますと、日本国の闇も相当に深いと思うのです。
 
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