時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

天安門事件の謎-鄧小平氏は死亡していたのか

 天安門事件から25年目を迎え、中国では、厳戒態勢が敷かれているそうです。その一方で、アメリカの機密文書が公表されたことにより、当時の中国国内の様子がより詳細に分かるようにもなりました。
 
 公開された文書は、米ジョージ・ワシントン大学の国家安全保障公文書館が「情報自由法」に基づき取得したものですが、”兵士が笑いながら発砲”というおぞましい文章がある一方で、不可解な点も指摘されています。1997年にパーキンソン病が原因で93歳で死亡したはずの鄧小平氏が、当時、既に亡くなっていたとする記述があるというのです(当時の年齢は85歳…)。軍の投入による徹底弾圧を命じたのは鄧小平氏とされていますので、仮に、この記述が事実であれば、天安門事件の真の責任者は別に存在していたことになります。あるいは、高率で認知症を合併するパーキンソン病であったことを考慮しますと、執務不可能なレベルにあり、事実上の”脳死状態”に近かったのかもしれません。
 
 自国民に対するジェノサイドとも言うべき手法は、どこか鄧小平氏らしからぬところがあります。天安門事件の真犯人は、一体、誰なのでしょうか。昨年、スペインの裁判所からチベット弾圧の罪で江沢民氏に対して逮捕状が出されましたが(事件後、最高実力者となったのは江氏…)、この逮捕状に、将来、新たな罪状が加わることになるのでしょうか。
 
 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
 
イメージ 1