時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

奇妙な”家事サービス外国人”受け入れ案

 昨日、経済財政諮問会議産業競争力会議の合同会議で民間議員が提案した案を受けて、「国家戦略特区」を活用して家事をサポートする外国人労働者の受け入れを認める方針を政府が固めたと報じられておりました。この案、あまりに奇妙であると思うのです。
 
 ”家事サービス外国人”の受け入れは、女性の社会進出支援の側面からも主張されていますが、移民の受け入れは高度人材に限定してきた近年の政府方針、並びに、今般の国内の雇用状況を考慮しても、疑問に満ちています。家事サービスとは、数ある職業のうちでも特別な専門的技術や知識を要求されない分野の一つであり、資格取得も必要ありません。敢えて外国人に依存する必要性はなく、仮に需要があるとしても、国内の子育てを終えた一般の専業主婦の方々にとってこそ、社会進出の機会となるはずです。また、政府は、移民受け入れに前のめりとなっておりますが、ニートと呼ばれる若年失業者の問題も解決しておらず、生活保護世帯の過去最高を記録しております。国内の失業問題よりも移民政策優先となれば、国民の反感は否が応でも高まることでしょう。しかも、選挙公約には、移民推進とは一言も書いていなかったのですから。
 
 最近の政府の経済・社会政策の方向性は、伝統や家族の価値を大事にする保守政党とは程遠く、社会改造を是とする左翼政党と見紛うばかりです。政府は、国民の声にこそ、誠実に耳を傾けるべきではないでしょうか。
 
 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
 
イメージ 1