時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

韓国の慰安婦ユネスコ世界遺産申請―ならば河野談話の証言の公開を

 先日、中国政府は、ユネスコ記憶遺産に”南京大虐殺”と”慰安婦被害”を申請しましたが、”慰安婦”については、韓国もまた申請を行う方針なそうです。
 
 ”慰安婦”の申請計画は韓国が先んじており、韓国から中国といった諸国に共同申請を持ち掛けていたそうです。ユネスコ記憶遺産の制度とは、「危機に瀕した書物や文書などの歴史的記録遺産を最新のデジタル技術を駆使して保全し、研究者や一般人に広く公開することを目的とした事業」であり、登録後は、全世界に向けて公開することが予定されています。”慰安婦”については、元慰安婦の証言以外に事実を裏付ける史料はなく、保存されている資料は、逆に軍による20万人強制連行説を否定するものばかりです。それでも韓国が”慰安婦”を記録遺産に登録しようとするならば、”証言記録”なるジャンルを設ける必要があるのですが、韓国側が、慰安婦資料の公開を当然としているならば、日本国政府が、河野談話における元慰安婦達の証言を非公開にする必要性も根拠もなくなります。
 
 元慰安婦達の証言に対する信憑性に関する厳密な検証や史料批判を拒絶しながら、ユネスコ記憶遺産には登録したい、という韓国の態度は矛盾しており、利己的でもあります。人類の記憶に偽の記憶を紛れ込ませるために国際的な制度が政治利用されているとしますと、それこそ、人類の歴史に対する冒涜ではないかと思うのです。
 
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