時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中韓による北の核開発阻止-対北軍事行動の布石?

 昨日、中国の習近平主席が韓国を訪問したことを受けて、中韓接近に関する様々な憶測が飛び交っています。マスコミ報道によりますと、中韓首脳会談での共同声明では、北朝鮮の核開発阻止での連携を明記する一方で、日本批判には踏み込まなかったそうです。
 
 ところで、この中韓共同声明、穏便で差し障りがない内容に聞えますが、両国揃い踏みで北朝鮮に対する対抗姿勢を明確にしたことを考慮しますと、深慮遠謀が隠されているようにも思えます。未確認情報ではありながら、中国は、水面下では韓国主導の朝鮮半島統一を認めているとする説があります。軍事同盟が締結されていながら、張氏の粛清以来、中朝関係は、一気に冷え込んできておりますので、端から否定できない説でもあります。仮に、中韓がタッグを組んで統一を企てるとしますと、北朝鮮の核開発阻止は、軍事行動を正当化する根拠となり得るかもしれません。イラク戦争に際しては、大量破壊兵器の放棄が大義名分でしたので、中国は、この事例を逆手にとる可能性があるのです。国際社会が、大量破壊兵器の破棄が理由であれば反対できないことを見越して…(国連安保理決議の成立の有無に拘わらず・・・)。
 
 中国は謀略に長けた国ですので、利用できるものは全て自国に都合がよいように利用します。日本国政府、並びに、国際社会は、中韓による北朝鮮に対する軍事行動があり得ることも、一つのシナリオとして想定しておくべきではないかと思うのです。朝鮮半島では、常に想像を絶する事態が起きるのですから。
 
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