時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:社会・共産主義体制は序列第一主義の典型例

 今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。前回の本ブログの記事(8月5日附)におきましては、人類は、他者協調主義という特徴を持つものの、類人猿から進化したがゆえに、人類には、類人猿の有する悪しき特徴である自己中心主義の特徴を残してしまっている人々がおり、こうした人類の一部は、人類史上深刻な問題を引き起こし、また、将来におきましても引き起こす可能性があることについて指摘させていただきました。
 
では、人類史上におきまして、類人猿の持つ悪しき特徴を残している人々は、具体的には、どのような問題を引き起こしてきたのでしょうか。その最たる例は、社会・共産主義体制であり、社会・共産主義体制が、もっとも類人猿の持つ欠点が表出している体制であると言うことができるのです。
 
奇妙なことに、進化論が、チャールズ・ダーウィン(1809~82年)によって唱えられた時期と機を一にするかのように、人類史におきましては、世界の社会・共産主義化という問題が発生することになりました。
 
社会・共産主義運動によりまして、世界各地に社会・共産主義体制の国々が成立することになったわけですが、この体制には、7月29日附本ブログで述べました「①オスのチンパンジーにとって、群れにおける序列が、人生ならぬ‘さる生’のすべてとなっている」という類人猿の持つ悪い特徴が、よく出ているのです。すなわち、党内序列が、社会・経済的発展を含めたすべてに対して優先されるため、極めて深刻な社会停滞を生じさせる結果となったのです。
 
社会・共産主義化運動は、今日でも、社会・共産主義に共鳴する人々は「進歩的知識人」と称されておりますように、‘人類の知性にもとづいた運動’、‘理想の世界を希求した運動’として理解される傾向にありますが、実際には、その逆であったと言えるでしょう。
 
社会・共産主義国の国々が、ことごとく自己中心主義者による独裁体制となってしまった原因は、社会・共産主義理論が、そもそも類人猿の持つ悪しき特徴を引き出してしまったからではないか、と考えることができます。
 
(続く)
 
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